時の羅針盤・190

時の羅針盤・190

始まりを愛する

高橋佳子


大切なのは行動すること

新年明けましておめでとうございます。

新たな年2020年が、皆様にとって最高の1年となりますことを心よりお祈り申し上げます。

新たな年の冒頭に、皆様にお伝えしたいこと──。「魂の学」 (*1) を学び、実践している私たちが、特に心に置いておかなければならないことがあります。

それは、「行動すること」の大切さです。

もし、あなたが「新しい生き方をしたい」と願ったなら、今まで試したことのない生き方で1歩を踏み出すことが必要です。新しい生き方は新しい考えから生まれるとしても、それを実現するのは行動なのです。

どんなに「ウイズダム」 (*2) に懸命に取り組んだとしても、アクションプログラムのない「ウイズダム」だとしたら、現実的には何の力も持ち得ないでしょう。つまり、行動することがいかに大切かということです。

「これまでの受発色 (*3) を繰り返してはいけない」と思ったら、今日からでも、違う受発色を現すことを心がけることです。思ったら、身体を動かしてみる。考えたら、行動を起こしてみるのです。

心の中で完璧に思い描けたことでも、実際に、現実に取り組んでみなければ、どうなるかはわかりません。言葉ではどんなに見事に言えたとしても、それを現実の中で生きることはまた別の問題です。

現実の中でどうなるかを確かめて初めて、私たちが思い描き、考えたことが確かなものだったのかを教えられることにもなるのです。

そしてそれは、逆の意味でも言えることです。

どう考えても難しい。実現する見込みなど、つゆほどもない。無理無謀な考えにしか思えなくても、実際に取り組んでみなければ、それがどうなるかはわからない──。

本当に意を尽くし、準備を整えて向かえば、まったく予想を超える結果にも結びつく──。

どんなに困難で、ほとんど希望が見えない状況でも、本当に因縁を整え、あらゆるつながりを助力として生かすことができるなら、ほとんどのことは、あなたの想像以上に実現に近づけることができるのです。

それは、これまでの数え切れないほどの経験から、私が確信を持って言えることです。

だから「始まり」を愛する

そしてだから、私たちは、「始まり」を愛するのです。

「始まり」とは、最初の行動です。

それまでは外の世界になかったことを生み出す歩み。ずっと心の中にあったことを、初めて外の世界に現す歩み──。それを「始まり」と言います。

新たな1歩を踏み出すとき、あなたの前には、今まで見たことのない世界が広がっています。新たな扉を押し開くとき、そこには、今まで向き合ったことのない挑戦があります。

他の人がすでに取り組んでいることでも、あなたにとっての「始まり」なら、そこには新しい次元が待っています。

そして、一度挫折して、再び取り組むことでも、「始まり」にほかなりません。

「始まり」は、すべての過去を土台としたうえで、それらをさらに上の次元につないでゆく力を有しているものです。そして、それだけではなく、それらのすべてを超越する力を抱いているのです。

その「始まり」の神秘を、ぜひ、心に置いてください。

「始まり」には、あらゆるものが含まれています。

苦しみも歓びも、試練も開けも、予め「始まり」に折りたたまれています。私たちの人生の歩むべき道すじも、私たち自身の偽我・善我・真我 (*4) という進化の段階も、そこに内包されています。

だからこそ、私たちは「始まり」を尊び、愛さなければならないのです。

2020年という今年、あなたの「始まり」は、何をめざし、どこに向かうものなのでしょうか。

2019.12.25

〈編集部註〉

*1 魂の学

「魂の学」とは、見える次元と見えない次元を1つにつないで人間の生き方を求めてゆく理論と実践の体系です。物質的な次元を扱う科学を代表とする「現象の学」に対して、物質的な次元と、それを超える、見えない「心」と「魂」の次元も合わせて包括的に扱おうとするのが「魂の学」です。それは、私自身の人間の探究と多くの方々の人生の歩みから見出された法則であり、「魂・心・現実」に対する全体的なまなざしによって、人間を見つめ、あらゆるものごとに応えてゆくことを願うものです。
(ご著書『最高の人生のつくり方』50ページより引用)

*2 ウイズダム(因縁果報ウイズダム)

高橋先生によって考案された「因縁果報ウイズダム」は、因縁果報のまなざしによって様々な問題を解決し、新たな未来を創造するための智慧であり、メソッド(方法)です。まず、因(自分)に問題を引き寄せ、その因と縁(条件)が交わってどのように果報(問題)を生んでいるのか、その暗転循環のエネルギーの流れをつかみます。そして、因を変革し、縁(同志・原則・システム)を転換し整えてゆくことによって、次第に暗転へ向かうエネルギーは止まり、光転循環を生むエネルギーが勢いを増し、解決と創造への道をつけてゆくことができるようになります。

*3 受発色

「受」とは、私たちが現実(外界)に生じた出来事を心(内界)に受けとめる受信のことで、「発」は、受信を受けて外界に関わってゆく発信のこと。「色」は仏教の言葉で、目に見える現実──人のことも含めて事件や出来事、外界のことを言います。人間は、生きている限り、この「受発色」のトライアングル(三角形)を回し続け、たとえ無自覚であったとしても現実を生み出し続けているのです。
(『神理の言葉2012』66〜67ページより一部抜粋・要約)

*4 偽我・善我・真我

魂が秘める大いなる可能性を全開して生きるのが、本来の自分──。それを「真我」と呼びます。その真我に比べるなら、どの人生も、本当の可能性が埋もれたままの状態としか言いようがありません。それは、真我とはほど遠い偽りの自分──「偽我」です。偽我の段階にいるとき、私たちは自分の心がどうなっているかもわからず、心を意識することすらできません。そして、偽我から真我に向かって生きる自分を「善我」と呼びます。善我の歩みとは、①偽我(最初の自分)を見つめる歩み、そして②「次の自分」をつくる歩み──。この2つによって、私たちは、「善我」の確立をめざすのです。
(ご著書『自分を知る力──「暗示の帽子」の謎を解く』23〜26ページより一部抜粋・要約)