時の羅針盤・181

時の羅針盤・181

善友となる

高橋佳子


「善友」を想う

毎年4月、GLAは、創立記念日にちなんで「善友の集い」を開催します。「善友」の意味については、これまでも幾度か触れてきましたが、ここで改めて振り返っておきましょう。

仏教の祖師釈尊が「善友」の意義を問う弟子に対して、「善き友を得るとは、道のすべてにもあたることだ」と、その重要性を強調されたのが、その原点です。私たちにとっては、「魂の学」(*1)に基づいて、互いに縁となって成長進化を果たし、それぞれの使命に応えることを願う友人、仲間こそが、「善友」であると言えるでしょう。

そして、私たちが共に善友であることを願って集いの名称としたのが、「善友の集い」なのです。今月は、そうした、共に道を歩む友人、「善友」の尊さについて、改めて考えるときとしたいと思います。

「宿命の洞窟」を抜けて「使命の地平」に至る大きな流れ

そもそも、なぜ、善友を得ることは、それほど大きなことなのでしょうか。共に研鑽し、実践する仲間を持つことの意義、さらに多くの善友と共に歩むことの意義は、何よりもそこに、「宿命の洞窟」(*2)を抜けて「使命の地平」に至る大きな流れが生まれているということだと思います。

私たちはみな、気づいたときには、自らの人生をすでに始め、自分を形づくり、1つの生き方を生み出しています。その生き方は日々繰り返され、少しずつ強化されて、やがてごく自然なものとなり、それ以外のものではあり得なくなってゆくのです。

それを「最初の自分」と呼びます。この世界に生まれ落ちた人は誰でも、それと意識することなく、「最初の自分」をつくりあげているということです。

「魂の学」では、その「最初の自分」は「宿命の洞窟」の中にいると捉えます。つまり、「最初の自分」のままでいるとき、私たちは、与えられた人生の条件に束縛された不自由な自分にしか過ぎないのです。

その「最初の自分」から、「次の自分」を生み出すのが、「魂の学」による「運命の逆転」の歩みです。

自分自身を見つめ、心(受発色)(*3)と行動を点検し、それを転換して新たな現実を生み出してゆく──。それは、自分の内側にある本当の願いを発見し、それに応えてゆく歩みでもあります。

もちろん、その歩みは、「最初の自分」の私たちにとって、容易ならざるものです。長年の自分を守ろうとする自己保存の力と、繰り返されてきた習慣の力、慣性力があるからです。それらは、「最初の自分」に留まろうとする強い力としてはたらきます。

その自己保存力と慣性力を自ら乗り越えて新たな自分を生み出してゆくために、大きな助力を与えてくれるのが、善友の存在、多くの善友の歩みそのものなのです。彼らが直接、支えをもたらし、具体的な助力を与えてくれることもあるでしょう。その生き方が、往くべき道を教えてくれることもあるはずです。

しかし、何よりも大きいのは、多くの善友がつくり出す場には、私たちを「宿命の洞窟」から抜け出させ、「運命の逆転」を通って、「使命の地平」へと導こうとするエネルギーの流れが満ちていることです。

「最初の自分」に留まろうとする私たちを「次の自分」へと誘い、やがて「使命の地平」を生きる「最終形の自分」へと導こうとする流れが、厳然と存在しているということです。私たちは、そこに身を置くだけで、古き住処を出て、新たな自分に向かう力を得ることができるのです。

50周年が呼びかけること

GLAのこれまでの歩みは、その大いなる流れを生み出す礎のための歩みであったと言っても過言ではありません。

祖師高橋信次先生が神理を伝え始められ、その周辺に集まった多くの有志の方々によって宗教法人GLAが設立されたのが、1969年4月8日──。今月8日、GLAは、創立50周年を迎えます。

半世紀の歩みが培った揺るぎない魂覚醒の礎──。「宿命の洞窟」から脱出し、「使命の地平」を生きるあまたの魂を生み出す礎を確かにして、私たちは、次なるステージに向かいます。

1人ひとりの使命発現の点が線となってつながり、それがさらに響き合って面となり、使命響働の現実を生み出してゆくのです。

2019.3.23

〈編集部註〉

*1 魂の学

「魂の学」とは、見える次元と見えない次元を1つにつないで人間の生き方を求めてゆく理論と実践の体系です。物質的な次元を扱う科学を代表とする「現象の学」に対して、物質的な次元と、それを超える、見えない「心」と「魂」の次元も合わせて包括的に扱おうとするのが「魂の学」です。それは、私自身の人間の探究と多くの方々の人生の歩みから見出された法則であり、「魂・心・現実」に対する全体的なまなざしによって、人間を見つめ、あらゆるものごとに応えてゆくことを願うものです。
(著書『最高の人生のつくり方』50ページより引用)

*2 宿命の洞窟、運命の逆転、使命の地平(人天経綸図)

人天の経綸とは、人と天によって織りなされる約束を指します。そして、大いなる存在・神のまなざしから見た人間の人生の真実の姿を示したものが「人天経綸図」です。そこには、過去世・現世・来世という永遠の時を生きる魂が、この世で進化・成長を果たしてゆく道のりが3つの段階──「宿命の洞窟」「運命の逆転」「使命の地平」によって示されています。すなわち、この世に生まれると、誰もが魂の未熟であるカルマと3つの「ち」(血・地・知)によって「宿命の洞窟」にのまれてしまう。しかし、日々訪れるカオスから光を引き出し、光転の現実を生み出し続けることによって、「宿命の洞窟」から脱し、「運命の逆転」を果たすことができる。そして、その歩みの中で、「自己の確立」と「世界の調和」がもたらされ、誰もが魂の願いを成就する「使命の地平」へと向かうことができるのです。
2017感謝の集い「人天経綸図 神のまなざしが捉える人生」〈講演BD・DVD・CD〉2018善友の集い「人天経綸図 悟りの9段階を歩む」〈講演BD・DVD・CD〉より一部抜粋・要約)

*3 受発色

「受」とは、私たちが現実(外界)に生じた出来事を心(内界)に受けとめる受信のことで、「発」は、受信を受けて外界に関わってゆく発信のこと。「色」は仏教の言葉で、目に見える現実──人のことも含めて事件や出来事、外界のことを言います。人間は、生きている限り、この「受発色」のトライアングル(三角形)を回し続け、たとえ無自覚であったとしても現実を生み出し続けているのです。
(『神理の言葉2012』66〜67ページより一部抜粋・要約)